家族や自分の周りにいる親しい人の病気が移ることがあります。
「そりゃそうでしょう。風邪は移るわよね、何言ってるのかしら?」
と思われるかもしれません。
今回のお話は感染性の病気のことではありません。
感染性の病気でないのに移ることがあるというお話です。
親が罹った病気が子供に出たり、夫の病気が妻に出たりすることがあります。
今日も甲状腺の機能が昂進するバセドウ病のお客様(Y様、女性)が来院しました。
息も絶え絶えで顔色も悪く、とてもしんどそうに見えます。
頻脈で胸がとても苦しいと訴えていました。
バセドウ病はよくある病気ですが、今回Yさんが発症したのは、母がバセドウ病になった直後に発症したのです。
バセドウ病は自己免疫疾患なので、他人から移ることも、他人に移すこともありません。
それがなぜ母がバセドウ病になった直後に娘に発症したのでしょうか?
西洋医学では、バセドウ病は移らない病気なので、偶然と片付けられて終わりでしょう。
このYさんは敏感な体質で母以外にも父の症状が移ったこともあるそうです。
父が五十肩だった時に、Yさんも同じ痛みで苦しみました。
ご存じのように、五十肩は他人に感染しません。
このような不思議な病気が移る現象は時々あります。
過去にも父の腸の狭窄が、息子に現れて痛がっていたことがありました。
この病気も他人に移ることはありません。
偶然なのでしょうか?
私は偶然ではない、きちんとした理由があると考えています。
なぜならこのお父様が腸閉塞になった時、息子さんの気功治療の後に、お父様の遠隔療法をやったことがあり、病気の気が同じエネルギー(邪気)だったことを確認しているからです。
つまり、親子で同じ邪気を共有しているということがわかったのです。
気(エネルギー)で診ないと、このような因果関係はわかりません。
では、この現象は一体どのようにして起こるのでしょうか?
人の中核には魂という不可視なエネルギー体があります。
それは肉体の内奥になるのですが、魂は身近な親しい人と繋がっています。
病気の発症プロセスを考える時、五十肩なら肩の使いすぎや肩に付加がかかりすぎた原因でなると考えられます。
しかし、それだけではなく、気(エネルギー)に由来する病気の発症プロセスもあります。
魂レベルから発症する病気もあります。
魂の繋がりが濃い関係、例えば親子や伴侶、恋人など、それらの間ではエネルギーを共有しています。
そのため、片方に現れた病気の原因となる邪気が、他方にも時間を置いて現れることがあります。
気(エネルギー)は時空を超える性質がありますので、考えられない現象ではありません。
親子関係なら、親に現れた病気を子供が一部肩代わりして楽にしてあげているという側面もあるでしょう。
病気の肩代わりは、濃い関係性の中だけで起こるのです。
おそらく、「辛そうだなぁ、何とかしてあげたいなぁ」という優しいいたわりの気持ちから、エネルギーの共有が起こるのでしょう。
これは人と人の間だけではなく、人とペットの間でも起こります。
ペットは一途な愛情で飼い主に接します。
例えば、ご主人様が帰宅すると、ワンちゃんが「おかえりー、ご主人様ー!」と言わんばかりに尻尾を振って飛びついてきたりします。
ペットはご主人様が大好きです。
ペットは飼い主が病気になったら、それを肩代わりすることが時々あります。
それはペットが飼い主の愛情に報いているペットなりの愛情表現なのでしょう。
末期がんで余命幾ばくもないお客様(Tさん)が、ペットのワンちゃんが急死した後に、急激に快復し完治したケースもありました。
きっとご主人様のことが大好きな優しいワンちゃんだったのでしょう。
Tさんは、「ワンちゃんが私の病気を持っていってくれた・・・」と後に涙ながらに語っていました。
シルディ・サイババというインドに出現した稀代の聖者も、最期は熱心な信者の病気を我が身に移してこの世を去りました。
その信者は死を目前にしていて、長く動けない状態でしたが、シルディ・サイババが病気を引き受けてからは、みるみる快復し動けるようになったと伝えられています。
私たちは固定観念で感染性でない病気は移らないと考えているため、身近な関係性の中で病気を共有していると考えませんが、よくよく観察してみると決して珍しいことではありません。
私たちは自分一人だけの力で単独で生きている訳ではなく、愛情によって結びついた魂の深い関係性の中で、お互い助け合って生かされているのです。